特定個人情報とは?個人情報との違いや取り扱う際の注意点を解説
特定個人情報とは、「マイナンバー(個人番号)をその内容に含む個人情報」と定義されています。一般的な個人情報よりも厳重な管理が必要で、利用目的も明確に定められています。本記事では、特定個人情報の概要について解説します。個人情報との違いや取り扱う際の注意点もあわせて確認しましょう。
目次[非表示]
- 1.特定個人情報の基礎知識
- 2.特定個人情報の使用用途
- 3.特定個人情報に関係する法律
- 4.特定個人情報を取り扱う際の注意点3つ
- 4.1.安全管理措置を徹底する
- 4.2.特定個人情報の利用には制限がある
- 4.3.マイナンバーを扱う際はガイドラインを遵守する
- 5.まとめ
特定個人情報の基礎知識
特定個人情報は、個人情報の一部ではあるものの、利用できる場所が制限されているのが特徴です。ここでは、特定個人情報の基礎知識について解説します。
特定個人情報とはマイナンバーを含む個人情報のこと
特定個人情報とは、マイナンバーを含む個人情報のことです。マイナンバーとは、日本の住民票を持つすべての人に対して割り振られた数字のことで、行政を効率化し国民の利便性を高め公平・公正な社会を実現する社会基盤です。マイナンバーは数字12桁で構成されており、引っ越しや結婚などを行っても基本的には一生涯変わりません。
マイナンバーから個人を特定する情報はわからないものの、年金や保険、税金といった情報を入手する際のパスワードとして使用されます。そのため、マイナンバーが含まれる特定個人情報は、厳重に管理しなければいけません。
特定個人情報と個人情報の違い
個人情報とは「生存する個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの」と個人情報の保護に関する法律で定められています。
例えば、生年月日だけでは個人を特定できないため個人情報に含まれませんが、氏名が加わると、個人を特定できる可能性が高くなることから個人情報に該当します。
そのほかにも、パスポートや運転免許証の番号、顔写真なども個人を特定できるため個人情報です。
マイナンバーを含む特定個人情報も個人情報の一部と考えられます。しかし、個人情報のようにさまざまな場所で活用できるわけではなく、使用目的が限定されている点が特徴です。
参考:個人情報の保護に関する法律 | e-Gov法令検索
特定個人情報の使用用途
特定個人情報の使用用途は、以下の3つに限定されています。
- 各種税金
- 社会保障
- 災害関連
マイナンバーを含む特定個人情報は、漏えいが起こるとマイナンバーの持ち主の権利・利益が危険にさらされてしまうことから、個人情報のようにさまざまな場所で利用はできません。ここでは、特定個人情報の使用用途について解説します。
各種税金
特定個人情報は、以下のような各種税金関係の書類で活用されます。
- 届出書
- 確定申告
- 調書などへの記載
先述したとおり、特定個人情報は漏えいや紛失を防ぐために、使用範囲が限定されています。例えば、調書を作成するために、従業員からマイナンバーを収集した場合は、ほかの用途での使用はできません。各種税金関係で取得した特定個人情報は、適切に管理しましょう。
社会保障
特定個人情報は、以下のような社会保障の手続きでも利用できます。
- ハローワークの事務手続き
- 年金の資格取得や確認、給付手続き
- 福祉分野の給付
- 生活保護の申請手続き
- 医療保険の保険料徴収に関する事務手続き
医療・年金・介護などの情報と前述の所得情報とを連携させることにより、所得額に応じた社会保障制度の構築、支援が可能となります。
災害関連
災害が発生したときに迅速な被災者支援活動を行うために、特定個人情報を活用する場合があります。
- 被災者台帳の作成事務
- 被災者生活再建支援金の支給
被災者台帳とは、被災者の情報をオンラインで管理できるシステムのことです。市区町村が管理している被災者の情報を関係各所で共有することで、迅速な対応が図れます。その際に、マイナンバーを活用することでよりスムーズに情報を集めることが可能です。
特定個人情報に関係する法律
特定個人情報に関係する法律は、番号法と個人情報保護法の2つです。番号法とは、マイナンバー法とも呼ばれており、マイナンバーに関することが定められた法律です。また、特定個人情報は個人情報に含まれることから、個人情報保護法も適用されます。
ここでは、特定個人情報に関係する2つの法律について詳しく解説します。それぞれの法律の違いもチェックしましょう。
番号法
番号法とは、マイナンバー法とも呼ばれている法律のことで、平成25年5月に公布されました。正式名称を「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」と言います。
番号法では、特定個人情報の利用範囲の制限や取り扱う人の監督義務などが定められており、個人情報よりも厳重な保護措置が規定されています。
また、個人情報保護法とは異なり、本人の同意があったとしても、利用目的を超えて特定個人情報を利用してはならないと定められています。
個人情報保護法
個人情報保護法とは、個人情報を保護するための法律のことです。個人情報保護法の目的は、「個人情報の有効性の維持」と「個人の権利・利益の保護」の2種類があります。
マイナンバーに関しては、特定保護情報であると同時に個人情報でもあるため、個人情報保護法が適用されます。ただし、番号法と異なる決まりがある場合は、番号法が優先となる点について注意しておきましょう。
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特定個人情報を取り扱う際の注意点3つ
特定個人情報を取り扱う際の注意点は、以下の3つです。
- 安全管理措置を徹底する
- 特定個人情報の利用には制限がある
- マイナンバーを扱う際はガイドラインを遵守する
特定個人情報は、マイナンバーを含んでいることから、個人情報よりも厳重な管理が必要です。ここでは、特定個人情報を取り扱う際の注意点をチェックしましょう。
安全管理措置を徹底する
マイナンバーを含む特定個人情報を取り扱う際は、漏えいや紛失を防止しつつ、適切な管理を行うために安全管理措置を実施しなければいけません。
例えば、マイナンバーを取り扱う担当者を決めておき、担当者以外が取り扱えないようにします。特定個人情報が記載された書類は、そのまま放置するのではなく、施錠できる棚に保管しておくことも安全に管理するための措置と言えるでしょう。
特定個人情報の記載された書類だけではなく、従業員に対しても適切な監督を行うことがポイントです。
特定個人情報の利用には制限がある
特定個人情報を取り扱う際は、利用の制限があることを念頭におきましょう。先述したとおり、マイナンバーの利用は各種税金や社会保障などの事務関連のみに制限されています。
金融機関などで例外的な利用はありますが、基本的には人事労務関連の事務作業での使用に限定されています。番号法では、特定個人情報を何らかの理由で入手した場合、本人の同意があったとしても、利用目的以外での使用は禁止されています。
マイナンバーを扱う際はガイドラインを遵守する
特定個人情報に含まれるマイナンバーを取り扱う際は、ガイドラインを遵守しましょう。番号法に適用する場合を除き、マイナンバーの提供や保管、収集はガイドラインで禁止されています。
例えば、保険の加入手続きで収集したマイナンバーは、手続き書類の作成事務を処理する必要がなくなり、所管法令等において定められている保存期間などを経過した場合には、できるだけ速やかに廃棄又は削除しなければなりません。
マイナンバーを含む特定個人情報を扱う際は、常にガイドラインをチェックしておき、制限の範囲内であるかを確認しましょう。
まとめ
特定個人情報とは、「マイナンバーをその内容に含む個人情報」のことです。さまざまな場所で使用される個人情報とは異なり、使用用途が制限されている点に注意しましょう。
また、特定個人情報を取り扱う際は、個人情報よりも厳重な安全管理措置が必要です。マイナンバーが記載された書類だけではなく、取り扱う人の制限や担当者への教育も含め、特定個人情報を安全に管理できるように努めなければいけません。
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